私自身に思い出は少ない。
あまり何かを思ったり感じたりしないから、そういう結果になっている。

それでも、今ある思い出は大事なもの。

風化や自然災害でなくなるのは仕方がない。
それは避けられないことだから。
都市開発でなくなるのも、少し諦めが着く。

そうやって、少しづつ私の中から、子どものころの思い出は減っていった。

夏祭りの日に、橋といっても幅10センチ程度の板から落ちた、蛙の池。
大麻の花が咲いていて綺麗だった裏山。
これらはみんな開発されて、住宅になってしまった。

近所の家も老朽化で立て替えられたりして、少し変わった。
裏の畑は、誰もいじる人が居ないから、林に変わってる。

でも、全体的な空気はそのままだったはず。

どうしてこんなになっちゃったんだろう。
周りの景色は、懐かしいままなのに、肝心なそこにあるはずの家が、見るも無残になっている。
私の思い出の半分を占めている、祖父母の家が、どうしてこんなになっちゃったんだろう。

風化で壊れたのでも、自然災害で壊れたのでもない。
人の手によって壊されてしまった。

写真では見ていたので、覚悟はしていたけど、実際に見たらそのショックは大きすぎた。
姉や従兄弟と走り回って遊んだ階段に和室に地下室に・・・・
全部が元に戻せない状態になってしまった。

例え外観が残っていたとしても、その中身が失われてしまっている。
これからお金をかけて直しても、一見は思い出の家だけどそれとは違う偽物の家になってしまう。
親には正直言えなかったけど、このまま壊してしまった方が、心の整理がつくような気がする。もう既に、あれを見た時点で心の中に何か穴が開いてしまった。

詳しく話したいところなのですが、ここから先は裁判云々が関わる事なので、残念ながら一段落着くまでここまでにしておきます。


**ちなみに大麻の花って、ポピーの花によく似て綺麗なんですよ。

ぁぁ、個人的に慰められると余計落ち込むから、慰めは遠慮しておきます。

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